2011年4月22日 Pinehurstの熱狂

a0064654_4224034.jpgゴルフ旅行をすると、しばらくの間、ほわっとした充実感に包まれる。ゴルフ酔いとでも言うのだろうか。

ノースカロライナのPinehurstでカミサンと4ラウンドたっぷり楽しんできた。ここは、なんと8つものコースを有する東海岸屈指のゴルフリゾート。PGAのメジャー大会はじめ、数々のトーナメントも開催されている。
コースによって特徴があるのだが、#1,3,5が易しいリゾートコース、#2,4,6,7,8が競技ゴルフ用のChampion Courseと便宜的に色分けされているが、そう単純ではないようだ。

a0064654_422668.jpga0064654_4223186.jpg最初の2日は、#4, #8を回った。両方とも松の木に囲まれた林間コース。バンカーが多いという触れ込みだが、気をつければそんなに入れることはない。難しかったのは、グリーンとグリーン周り。お椀を伏せたような形状で、簡単に右に左に、または、奥に手前にとこぼれてしまう。こぼれたアプローチをピンそばに寄せて止めるのは容易ではない。また、アンジュレーションもきつく、グリーンに乗っても安心できなかった。初日が87(33パット)、2日目は92(38パット)も叩いてしまった。距離は短く(白ティー)、フェアウェーも広いので、ここで良いスコアを出そうと思ったら、ピッチ&ランのキャリーと転がりの比率を正確に把握しておくことだ。つつじが咲き乱れる綺麗なパー3があり、記念撮影。

3日目が、今回のツアーの目玉、#2コース。Donald Ross(有名らしい)設計の、全米トップ10に入る著名コースだ。99年と05年にはUS Openが開かれている。99年のUS Openを制したのは、最終ホール15フィートの難しいパーパットを沈めたペイン・スチュアートだ。彼は、この栄光のメジャー制覇のわずか4ヶ月後に若くして飛行機事故で亡くなったことから、悲劇の英雄となった。18番ホールのグリーン脇には、Winning puttを沈めガッツポーズを取る彼の銅像が建てられていて、皆、そこで記念写真を撮っている。僕のようにペインと同じポーズを取るお調子者はあまり見かけなかった。

ゴルフの話。#2は、Donald Ross設計の後、時を経てブッシュが生い茂り、だいぶ当初の様相と変わっていたらしい。そこで、今年3月に、当初の風貌を再現するよう、大改造が行われた。具体的には、ブッシュを刈り取り、砂の裸土をむき出しにしたのだ。この大改造の感想をお聞かせくださいというポスターが貼ってあったが、僕の感想は、簡単にしすぎたんじゃない?というものだ。この日は、せっかくだからと、カミサンと相談し、キャディーをつけたこともあり、ゴルフってこんな易しかったっけ?というぐらい調子が良かった。ドライバーはまっすぐ飛ぶ、アイアンは正確に狙った距離通り、パットもぽこぽこ入る、で81(31パット)。18番ホールの2打目(キャディーいわく、ペイン・スチュアートの最終日2打目もこの辺でした)が、バンカーに飛び込まず、パーが取れていれば夢の79だった。まぁ、ショットは確かに良かったのだが、これがブッシュがある光景だったらプレッシャーであんなに上手く打てなかったろう。また、何度かWasting Area(前述の砂地)へ行ってしまったが、下は固く、さして苦もなくボールが打てた。せっかくなら改造前のサディスティックな#2でプレーしたかったなー。

a0064654_423198.jpg最終日は、易しい(グリーンフィーも安い)#5コース。短くて簡単。ところが、この日は、パットの調子を崩し39パット。90叩いてしまった。この話は、次回にするとして、今振り返ってみると、実はここが一番美しかった。#2,4,8が殺伐とした荒野を切り拓いて作った感じなのに対し、#5は、田園の真ん中に作りましたという箱庭的安堵感があるのだ。適度なアップダウン、濃い緑色。至るところに配置される小さな池とコテージ風の別荘。あいにく天気が悪く、小雨交じりの鉛色の空だったが、晴れた日だったらさぞや美しい景色が見られただろうと思う。東海岸ならではの緑が映える公園のようなコースだった。

a0064654_4225191.jpgPinehurstには、ゴルファーを酔わせる何かが棲んでいる。それは、1895年からの歴史であり、名士たち(今では死語であろうが)が守り続けてきた伝統の凄みであり、ペイン・スチュアートの魂のようなものであり、それに熱狂したファンの地響きのような歓声のこだまである。それらが、ホテルや、クラブハウスの至るところに写真で誇示されている。白黒のもの多い。正装した紳士淑女がゴルフに興じている。黒人のキャディー小屋の写真もある。ペイン・スチュアートがガッツポーズをしている。グーセンがトロフィーにキスしている。タイガーがパットをはずしてうなだれている。人々が興奮している。この雰囲気を感じられるだけでも、下手くそだけれどもゴルファーの端くれで良かった。人生の幸運だ。
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by gomanis | 2011-04-23 04:18 | ゴルフ


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