2007年5月3日(木) 禅ゴルフ

a0064654_14461757.jpg前回、強いゴルファーになりたい、東京でメンタルトレーニングの本を探す、と書いたが、さすが日本。結構あった。その中で、はまっているのが、『禅ゴルフ』。アメリカ人が書いた本だが、“禅”は、あの禅問答の禅である。

どの辺にはまったか?たとえば、こんな寓話が出てくる。
ある若者が、粘土でできた仏像を持っていた。代々伝わる家宝で、大事にしていた。ある時、若者は、その仏像を金で覆うことを夢見るようになる。そして一所懸命働き、稼いだお金をずべてつぎ込み、ついに像を金で覆うことに成功する。だが、若者が満足したのもつかの間、金は、ところどころ剥げ、粘土が顔を出し始める。若者は必死に働き、金を購い、仏像の修繕に追われた。ところがどうしたことか、金は、粘土に馴染まないらしく、貼っても貼っても剥げ落ちる。
ある日、長く旅に出ていた若者の祖父が帰ってくる。祖父は、金の剥げた仏像を手に困惑する若者から仏像を受け取ると、愛しげに眺め、濡れた布で粘土の部分をこすり始めた。すると、粘土の下から、純金の仏像が出てくるではないか。像は、もともと金で造られたものだったが、昔、泥の中に落ち、粘土で作ったように見えていただけだったのだ。若者は、金を貼るよりも、泥を落としさえすれば、もっと楽に、長く幸福を味わえたのだ。

話は、ここからゴルフに移っていく。迷えるゴルファーは、自分のよいスイングを持っているのに、ラウンドに出ると、自信の欠如と失敗に対する恐怖から、泥をまとったおかしなスイングをしてしまっている。また、よくない部分に目を向け、金箔を貼ろうとしている。なぜ、金箔を貼るのを止め、泥を取り去り、本来持っている、よいスイングを開放してやらないのか、という教えである。おわかりだろうか。

この本がユニークなのは、我々のスイングを肯定するところに立脚しているところだ。誰もが、それぞれのレベルに応じて、“完成されたスイング”を持っている。練習場で打てるナイスショットが誰でもあるでしょう。それです。萎縮せずにそれを表に出してやればいいんです。と言っている。自分のスイングを肯定することによって、自信を持ちなさいという理屈である。

どんなゴルファーも自信が持てるマインドセットの話が前半続くが、後半は一転して実利的な話に入る。呼吸法や、ラウンド前のパッティング練習のプロセスなどにも言及している。他のHow to本と違い、1ページ1ページ、深い思考を求められる良書だ。哲学的であり、実利的でもある。

これを読み始めてから、心穏やかにラウンドできるようになった。明日の爆裂蟹も楽しく廻れそうだ。ふふふ。
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by gomanis | 2007-05-05 14:48 | ゴルフ


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