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2008年9月30日(火) 札幌 鮨の福長(ふくちょう)

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a0064654_9413757.jpg北海道旅行のフィナーレにふさわしい素晴らしい鮨だった。前菜で秀逸だったのは、白子とするめ烏賊の活作り。白子は、さっと湯通ししたもの。その甘いことと言ったら。。。 烏賊は、綺麗に透き通った活烏賊を生簀から出し、その場で捌いてくれる。エンペラと身は細切りに、脚は一本一本切り離し、長皿に盛られる。ぴかぴか透明に光る身は、魅惑的だ。腸(ワタ)は、直径1センチぐらい、輪切りにして、身の上に並ぶ。板さんいわく、新鮮でないと腸をこのようには切れないそうだ。どろっと溶け出してしまうとのこと。このように輪切りにされた烏賊の腸を食べるのは、勿論、初めてだ。生姜醤油につけていただくのだが、ねっとりと濃厚で芳醇な味だ。絶品。身の方は、こりこりしている。普通の烏賊の刺身のようなどろっとした感じは微塵もない。身が、きりっと立っているのだ。脚は、醤油皿につけるとビクンと動く。活きているわけではないが、新鮮であるがゆえの生体反応とのこと。3人で一杯の烏賊、かなりの量だ。

a0064654_942528.jpg嬉しいことに、この店には馬糞ウニがあった!今回の北海道旅行は、馬糞ウニを食べたいというのがそもそもの動機だったから、ついに念願がかなったわけだ。9月以降、馬糞ウニがなくなるわけではなく、日本海側で禁漁になり、供給量が極端に減るのだそうだ。でもここの店では、ありますよ、とこともなげに言う。まずは、塩水に浸したものを贅沢に小さじで掬っていただく。オレンジ色の、ムラサキと比べると身が締まった濃い味だ。

板さん自慢の飯蛸もいただく。湯で加減にノウハウがあるとのことで、柔らかくておいしかった。


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熱々のひれ酒にうっとりしながら握りに行く。お奨めに従い、ししゃも、さんまの青魚から。ししゃもの鮨というのは、生まれて初めてだ。いわく、本州の人はメスの卵をありがたがるが、地元北海道では、オスのほうが脂が乗って美味いとされているとのこと。この鮨も、オス。光もの特有の香りがあり、身は、確かに脂が乗っている。美味いものだ。カミサンは、これらに加え、かまトロを食べる。これも霜降りで美味そう。義母は、お奨めを無視し、自分の好みで中トロとボタン海老から。


a0064654_945071.jpg第2弾は、いよいよウニ、それにボタン海老をもらう。この朱色に輝くウニ、美味い。濃厚でとろりとし、甘い。ん?美味い。美味いのだが、初めての味とは思えない。どこかで馴染みのある味だ。よく考えてみると、サンディエゴのウニはこの味だったような気がする。そういえば、あの頃、いろいろすし屋について文句を言っていたが、ウニだけはサンディエゴのほうが下手な日本のすし屋より美味いよね、と言っていた。何のことはない。サンディエゴのウニは馬糞ウニだったのだ(多分)。どなたか、サンディエゴ在住の方、今度すし太田でもSurfsideでも行く機会があったら尋ねてみて欲しい。


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金目鯛、ひらめなど堪能したあとは、隣の常連客の真似をして、筋子と数の子をつまみでもらう。うーん、イクラもいいけど、筋子をちびりちびりつまみながらひれ酒を飲(や)るのは、実に乙なものだ。子供の頃、父親が、筋子に酒をふりかけて、それをおかずに美味そうにご飯を食べていたのを覚えている。あの記憶で、筋子は旨いものだという刷り込みがなされたのだと思う。
数の子、昼間見た鰊御殿を思い起こしながらいただく。北海道で食べる数の子は、重みが違う。

最後に細巻と一緒に、自慢の蜆汁で〆る。本州の浅蜊ほどもある大粒の蜆だ。

3人で、“レアもの”の馬糞ウニを含め、たらふく食べて呑んで¥32,000、かなり良心的な値段。一見の客であったにも関わらず、常連客と分け隔てすることなく、もてなしてくれた。
なかなか良い店ではないか。
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by gomanis | 2008-10-07 09:57 | 美食

2008年9月30日(火) ジンギスカン

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返す返すも残念だったのは、ジンギスカンを十分に堪能できなかったこと。何しろ、この昼食しか食べるときがなかった。そして、朝は、おおぶりのおにぎりを一個半食べ、昼になっても結構お腹が一杯、また、夜は、早い時間から鮨屋へ行くことになっていた。

というわけで、3人で2人前を食べる、というか、味わうにとどまった。『マツジン』(松尾ジンギスカン)。僕らが不慣れだと知ると、店の人が、全部やってくれる。中央が膨らんだジンギスカン鍋の、まずは周辺部にモヤシ、かぼちゃなどの野菜を載せる。肉は、真ん中に。肉は焼き、野菜は、肉汁で煮るのだそうだ。なるほど合理的だ。肉は、特上ラム肉というのを頼んだ。あらかじめタレに漬けてある。

ジンギスカンなので、一応、グラスで生ビールをもらう。迷わずサッポロだ。小さく乾杯し、ジンギスカンをいただく。ジュージュー言っている肉は、旨い。結構薄味だ。また、もうひとつの念願だった(念願がたくさんあったのだ)、とうもろこし(北海道では“とうきび”と言う)ももらう。これは、焼いたものを持ってきてくれる。これにもかぶりつく。
香ばしくて美味い。

将来、機会があったら、やはり、夜にゆっくり食べたいと思い、後ろ髪引かれる思いで店を出た。
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by gomanis | 2008-10-07 09:43 | 美食

2008年9月30日(火) 開拓の村、鰊御殿

a0064654_1346419.jpga0064654_13462367.jpga0064654_13464047.jpg開拓の村。明治村のようなコンセプトであるということだったが(僕は、明治村行ったことないが、楽しいらしい)、なかなか面白かった。

旧浦河支庁も、明治時代の交番も駅前旅館もよかったが、一番感動したのは、鰊御殿。僕は、不勉強にも、鰊御殿とは、鰊漁で大儲けした網元が建てた大邸宅のことであると誤解していた。実は、それは、企業体そのものだったのだ。まず、鰊御殿は、単体の建物ではない。母屋のほか、海にせり出して建てられた建物、母屋の後ろに連なる倉(それも書庫、米倉、味噌倉、網倉等に分かれている)、鰊の加工場、番屋などすべてを含んだ総合施設なのだ。

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母屋に入ってびっくり、土間を挟んで右手が親方一家の家、これは、勿論、そこそこ豪華だ。左手に対をなす部分は、なんと季節労働者の居住空間なのだ。コの字形の2層構造に畳がびっしり80枚敷いてある。この畳一畳が1人分の空間なのだそうだ。コの字形の真ん中の部分は板間になっており、皆、自分の畳の前で板間に向かって座り食事をしたのだそうだ。そう、鰊御殿は、80人が寝起きする宿舎でもあったのだ。板間に立て札があり、喧嘩、賭博を固く禁ずる、などと仰々しく書いてある。中には、荒くれ者や無法者もいたのだろう。80人の喧騒が想像できるようだった。

書庫には、歴代の漁獲高、収入、支出の細かい記録などが保管されていたという。網倉には、毎年、漁を終えたあと、洗って手入れをした網や、各種の漁具、道具が保管されたそうだ。そして米倉、味噌倉には、ずべて自家製の米、味噌が蓄えられていた。米は1日45Kg必要だったそうで、外から買うなどという選択肢はなかったのだろう。自前の田畑を持ち、自給していたとのことだ。

こういう事実を知るにつれ、驚愕を通り越して、先人への尊敬の念が沸いてくるのだった。この人たちは、百数十年前の明治時代に、鰊の量を予想し、漁獲高の計画を作り、それに応じて人を雇い、組織立て、食糧を準備し、漁具を揃え、漁獲後の加工の段取りを整え、流通への販売の算段をし、漁期が終わると収支をまとめ、記録に残し、翌年の支度をしていたのだ。今でいう3rd Partyが使える時代ではなく、必要な業務や資源をすべて自前で調達していたのだ。現代企業でいう、経営管理、資材、人事、生産管理、生産、財務・経理、販売などが、すべてこの鰊御殿の中で機能していたのだ。それも100人もの規模でだ。すごい、の一言に尽きる。
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by gomanis | 2008-10-06 13:48 | 一般

2008年9月30日(火)  JRタワーホテル日航札幌のこと、佐藤水産のおにぎり

あっという間に最終日になってしまった。何の下調べもしてなかったので、当日の朝、またもや、ホテルのコンシェルジェで何から何まで教えてもらって予定を立てる。ところで、今回泊まったのは、『JRタワーホテル日航札幌』。このホテルは、実に良かった。部屋も眺めも良かったし、スパの設備もマッサージも素晴らしかった。しかし、それにも増して、コンシェルジェのお嬢さんが親切でよかった。

朝、まずは駅前の『佐藤水産』でおにぎりを買って食べる。次に電車とタクシーを乗り継いで『開拓の村』を見学。昼に札幌に戻ってきて大通り公園付近にあるジンギスカン屋で昼食。午後は、大倉山シャンテを観光後、大丸で海産物の買い物をし、夕方、鮨を食べて夜千歳から帰京、という隙のないプラン。これ、全て、コンシェルジェのお嬢さんの情報と助言によるもの。堀本さん(と言ったかな)、ありがとうございました。しみじみを紹介してくれた別のお嬢さん、ありがとうございました。JRタワーホテル日航札幌、ホントいいホテルです。

さて、堀本さん(?)絶賛の佐藤水産のおにぎりは、期待を裏切らず、美味かった。僕は、筋子と紅鮭と2種類食べたが、ほっぺたが落ちるほど美味いとは、このことかと思った。真っ白いご飯に新鮮な具がたまらない組み合わせだった。
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by gomanis | 2008-10-06 13:40 | 美食

2008年9月29日(月) 札幌 しみじみ

小樽から戻り、すすきのの居酒屋、しみじみへ。ホテルのコンシェルジェの紹介だったが、その名の通り、しみじみしていて、願わくは、もう少し賑やかでも良かったかという感じ。店内はほの暗く、半個室に分かれている。プライバシーを重んじる、これもここ10年ぐらいの流行ではないだろうか。

お腹がすいていたので、とりあえず、速いものを頼む。ジャガイモ3種、枝豆、蟹味噌。飲み物は、『すすきのピルスナー』という地ビールがあるというのでそれを。ちょっと酸が強いような、癖のあるビールだ。色はロゼのようなオレンジ色。

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一心地ついたところで、いよいよ焼き物へ。卓上の七輪でいろいろなものを炙って食べるのが売りらしい。朝、市場で食べた(試食させてもらった)帆立が旨かったので、帆立から。この帆立、貝殻の片方をはずしてあり、漬け汁に浸かっている。一個¥650。小樽の朝市で一個¥100のものが、札幌のすすきののちょっと良い目の居酒屋で、半加工されて出てくると¥650になっている。面白い。ちょっと経済学を勉強した感じ。生の帆立も美味かったが、こうやって炙り、ぐつぐつと煮汁を立てたものも旨い。はふはふ言いながらいただく。

a0064654_13103880.jpgカミサンが頼んだ金目鯛が来る。これは、調理場で焼いたもの。朱色に香ばしく焼きあがっているように見えたが、もう少し皮がぱりっとしていたほうが良いとはカミサンのコメント。

ラム舌があるので、話の種に頼んでみる。もちろん、初めて。牛タンほど大きくない。焼いて食べると、やはり、味も牛タンそっくりだ。ビールにも赤ワインにも合う。ちなみにカミサンは、地ビールをパスして、最初から富良野ワインを美味そうに飲んでいる。

ラムの肉もメニューにはあったが、今回の旅行のもうひとつの楽しみ、ジンギスカンの感動が薄れるので、我慢する。代わりに、といってはなんだが、『トルネードソーセージ』というのを食べてみる。なんのことはない、普通のソーセージだ。トルネードというのは、竜巻のようにとぐろを巻いているかららしい。

酒のほうは、『北の誉 鰊御殿』純米大吟醸、『とうきび焼酎』と、地元のものを楽しもうと飲んだが、あまり好きな味ではなく、結局バーボンが飲みたくなり、I.W.ハーパーへたどり着いた。

〆に、炭そばなるものを頼んでみる。メキシコの『弁慶』のメニューにはあるが、ついぞあった例がないので、実際に食べるのは初めて。ご覧のように、黒い。イカ墨かなんか使っているのだろうか、特に香りはしなかったが。つるつるとのど越し良く、美味かった。
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by gomanis | 2008-10-06 13:17 | 美食

2008年9月28日(日) 札幌 鮓佐(すしさ)

一日戻って、札幌に着いた夜のこと。とある人の薦めで、鮓佐(すしさ)という鮨屋に喜び勇んで行った。なにしろ、こちらは、馬糞ウニを食べたくて北海道に来ているので、まずは鮨屋なのだ。地下鉄東西線の琴似駅のすぐ近く、その店はあった。

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ご主人が1人でやっているらしい。こじんまり、というか、ひっそりしている。客は、僕ら3人だけ。うーん、ゆっくりできていいのだけど、もう少し、賑やかなほうが盛り上がるかな。
日曜日ということで、市場が休み。ネタが少なかったが、旨い鮨は食べられた。

突き出しは、トコブシの炊いたもの。こちらでは、『蝦夷アワビ』と言うらしい。味わい深く、旨い。つぶ貝の刺身。これも北海道ならではだ。こりこりとした歯ごたえが良い。

ビールから始めたが、途中で熱燗に変える。なにしろ、何もかも、ご主人1人でやっている。酒を頼むのもちょっと気がひけるぐらいだ。

握りは、いろいろいただいたが、印象に残ったのは、穴子、いくら、蟹など。肝心のウニは、残念ながら馬糞でなく、ムラサキウニ。勿論旨いが、期待が大きかっただけにちょっとがっかりした。

ひらめの入った味噌汁をいただいて〆る。まずまずだったが、北海道はこんなものではないはず、と、3人ともめらめらと闘志を燃やすのだった。

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by gomanis | 2008-10-05 23:13 | 美食

2008年9月29日(月) 小樽 栄枯盛衰

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小樽を訪れるのは初めて。札幌から電車でほんの40分ほどだ。沿路、石狩湾の蒼い海が美しい。駅に降り立ち、まずは駅前の三角市場へ。通路を挟んで両側に海産物の店が軒を並べる。水槽に入ったタラバガニ、茹で上がった毛蟹、活き帆立、筋子、醤油漬けのいくら、鮭トバなどが所狭しと並んでいる。色彩的にも朱色が大勢を占めるようで、華やかで明るい雰囲気だ。どの店も商売熱心で盛んに試食を勧める。

それらを断り、観光案内所で教えてもらった武田屋へ。簡素なテーブルが4つほど並んだ小さな食堂。お目当ての馬糞ウニは、季節が終わったとのことで、値段表から削除されていた。残念至極。迷った挙句、ウニいくら丼にする。ご飯が見えなくなるほどに盛られたいくら、真ん中に鎮座するウニ。小ぶりながら、案外食いでがある。ウニは、ムラサキウニという種類で、こちらでは馬糞ウニの『赤』に対して『白』と称される。淡白なウニで、ちょっと物足りない感じが否めない。いくらは美味かったのだが、期待ほどの味ではなかった。後から考えてみたら、ご飯が酢飯でなかったのが原因か。味噌汁がついて¥2,000、高いのか安いのか、微妙なところだ。

帰りしな、別の店で、帆立の刺身を試食させてもらった。ナイフを入れ“ひも”を切り、帆立の身を掻き出す。半分に切って、はい、と手渡される。心持、水晶のように透き通っている。何の調味料もついていないのだが、ぷりぷりとして甘い。うーん、生の帆立はこんなに美味いものか。普段食べる帆立の刺身は、どんよりと白濁してだらっとしているものな。エライ違いだ。

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市場を後にして市内観光。運河博物館が面白かった。江戸時代に始まった北前貿易(近畿地方との日本海を経由した交易)で栄え出す小樽。北海道開拓の拠点として発展する明治期。鰊漁で空前の繁栄を見た明治・大正期。知識として北海道開拓の歴史は、認識はしていたが、実際の運河を目にし、数多くの当時の建造物や歴史的遺物を目の当たりにすると、当時の人々の熱気や息遣いが身近に感じられた。

戦後の凋落期を経て、小樽は、今度は観光都市として再生を果たしつつある。旧日銀小樽支店、日本郵船小樽支店始め、多くの明治~大正期に建てられた重厚なビルや倉庫群が、いろいろなものに姿を変え、観光客を楽しませている。ここはまた、鮨とガラスの町でもある。本当に、町中、すし屋だらけと言っても過言ではない。ガラス製品は、北一グラスという大手会社があり、数多くの店舗を張り巡らせている。ワイングラス、ウィスキーグラス、ビールグラス、湯呑みから醤油差し、ガラス装飾品まで、さまざまな色の商品が町中で買える仕組みになっている。

夕方まで歩き尽くし、歴史に想いを馳せながら札幌へ戻った。
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by gomanis | 2008-10-03 23:33 | 美食