2010年5月16日(日) 鮨心

日本出張、恒例の義母との食事は、四の橋にある鮨心へ。前回は河豚に走って一回休んだから2月以来だ。

今回は、ちょっと災難だった。隣に4人連れの客がいたのだが、会話の声がでかいのだ。特に社会人1年生と思しき女性がいて、耳をふさぎたくなるほど甲高い声で、しかもお馬鹿なことばかり口にする。こちらの興が殺がれることおびただしい。すし屋の作法とか誰かに習わなかったのだろうか。途中で”ご飯ください”と言ったのには開いた口が塞がらなかった。”納豆巻、普通のご飯で”とも言っていたような気がする。すし屋のカウンターで食べたことがないなら、黙っておけばいいのに、ああも物怖じせずに同行の上司(先輩?)の顔がつぶれるのも構わずに失笑と顰蹙を買いまくる神経は、いったいどうなっているのだろう?店長の中村君も耐えかねて笑顔ながら注意していたな。あぁいう作法知らずに遭うと、もうすし屋は25才未満立ち入り禁止とかにしたくなる。

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一団が去ってやっとおいしい鮨に専念できる。料理を味わうのに聴覚が関係しているということに初めて気がついた。雑音、騒音の中では、人間は料理を楽しめない。この日、つまみで鯛の白子と穴子の白焼きをいただいたのだが、相当旨かったわりにあまり記憶に残っていない。もったいない。集中できなかったのだな。

静かな環境で食べる鮨のなんとおいしいこと。光ものが好きだというと中村君が嬉しそうな顔をしてネタを見せてくれる。島鯵、小肌など。ネタに手をかけるのが楽しいのだどうだ。光ものは酢で〆るので、いろいろ味が加減できて、それが職人冥利につきると言う。研究熱心でよいことだ。

ほかにも煮蛤やトロ、途中で浅漬けの水茄子など日本の初夏を感じさせるものをたくさん堪能し、最後にかりかり梅の細巻きでさっぱりと〆る。岩海苔の味噌汁で心まで温かくなり店を出る。

また来ます。でも、あの子は出入り禁止にしてね。
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# by gomanis | 2010-05-26 10:35 | 美食

2010年5月22日(土)23日(日) ゴルフの話2題

久しぶりのブログだが、復帰はやはりゴルフの話から。

一つ目。日本からの帰り際、太平洋クラブ成田で職場の同僚とラウンドをした。その中で東京で働くTさんとメキシコの仲間H君は、ともに飛ばし屋。僕は普段から飛ぶほうではないが、この日は、特に飛ばなかった。2人にはなんと70-80ヤードも置いていかれ、悲しくなってしまった。200Yも飛んでいないことになる。レンタルクラブのキャラウェイERCが悪いのだとずっと思っていたが、日曜日にメキシコでラウンドしてわかった。原因は、靴、であった。日本出張のときはできるだけ荷物を少なくしたいので、ジョギングシューズでゴルフするのだが、おそらく、これが飛距離を落とした元凶。あの、軽くて底がつるつる滑るジョギングシューズは、”足のグリップ”がまったく利かない。大地に爪が食い込むことが飛距離につながるのだと実感した。そう言えば、あまり足のグリップが関係ないショートアイアンやウェッジは、距離が落ちなかったような気がする。

ちょっと自慢話をすると、そんな飛ばないゴルフでも83(42, 41)で回り、全員からお小遣いをもらいました。ふふふ 飛距離じゃないね。

二つ目の話。昨日は、時差ぼけ解消も兼ねてホームコースのLa Haciendaでラウンド。ドライバーも240Yは飛ぶし、アイアンも寄せもいいのだが、パットが入らない。1メートルも50センチも入らない。30センチでも自信がなくなった。これが祟って前半48も叩く。原因は、たまたまバッグに入れていたオデッセイの2ボールパター、だと思った。女性用のこのパターは、短くて打つ瞬間にクキクキ右に左にヘッドが揺れる、ような気がしたのだ。後半の出だし、10番、4メートルほどのパーパットを大きくオーバーさせ、返しでまたヘッドがプイっと左を向きダボを叩いたときには、本当に切れそうになった。

しかし、ここで思い直す。そうだ、今までもパットが入らないことは何度もあったじゃないか。その原因は、、、頭が動くことだ!11番をボギーでしのぎ、12番、1メートルの短いパーパット。頭を動かさないように打つと、ボールはまっすぐカップに転がりこんだ。なぁんだ、入るじゃないか。その後は頭を固定しポコポコパーパットが決まりだす。上がってみれば39というinの自己新記録。パットは12回、普段よりずーっと良い。教訓。道具のせいにしてはいけない。謙虚に”わが振り”治すこと。
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# by gomanis | 2010-05-25 07:58 | ゴルフ

2010年4月1日(木) ~4月4日(日)セマナ・サンタ H夫妻来訪

今年のセマナサンタ(イースター)は、特別だった。ついに!あの爆裂東海岸のH夫妻が初めてメキシコに来てくれたのだ。
H夫妻と言えば、ゴルフ、そしてメシ(Yumiちゃん)と酒(Yっシー)だ。楽しくないわけがない。

これを機に、いろいろな場所に観光に行ったが、それはYumiちゃんのブログに譲ることにして、僕は、この4日間で食べた美味いものに焦点を絞ろう。

a0064654_352274.jpg着いてすぐの一食目は、Masarykにあるタコス屋。その名も「La Casa del Pastor」(パストールの家)。4種類ぐらいのタコスを食べたが、やはり僕は、正統派Patorが好き。赤い肉は、ジューシーで素朴ながら期待を裏切らない味だ。


a0064654_3524359.jpg夜は、ちょっとおめかしして同じくMasarykにある「D.O.」へ。最近メキシコに来たI夫妻も呼んで6人のにぎやかな夕食。H夫妻とI夫妻は、互いに面識はないものの、方や爆裂一期生、もう一方は爆裂蟹の幹事役をやっていたという爆裂つながり。加えてお互いのブログを読んでいるので、あっという間に打ち解けた。ブログの力は偉大だ。
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前菜のイベリコハム、コロッケで舌鼓を打ったあと、メインに選んだのはPescado al Salと仔豚のロースト。Pescado・・・は、マナガツオを岩塩で包み、オーブンで焼いたものだ。これは、メキシコで食べる魚料理の中の大好物のひとつ。テーブルのすぐ横でボーイが恭しくナイフとフォークで岩塩を開き、中の魚を取り分けてくれる。この魚がほのかに塩味が染みて旨いのだな。仔豚は、初めて食べたが、ちょっと脂がきつかったか。でも香ばしさはとても良いので、次回、一人当たりの量をもっと少なくしてもらって、これをメインにすれば、それはそれで楽しめるのではないかと思った。

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2日目の夜は、「Casa Portuguesa」で鰯を食べようと思ったが、残念ながら休み。すぐ近くにある「Bellaria」へ移動。「Bellaria」は、うちが贔屓にしているイタリアンの一つで、頼むものも決まっている。一つは、烏賊のオリーブオイル焼き。イタリアンレストランで烏賊の前菜というと揚げたCalamari Fritoが一般的だが、僕は揚げていないこちらのほうが数倍好きだ。ハーブ(何かはよく知らない)とレモンもかかっており、さっぱりとして白ワインにぴったりのつまみだ。もう一品は、これまた大好物のQuatro FormaggiのPizza。4種類のチーズの奏でるハーモニーは絶妙だが、それにもまして、ここのピザがいいのは、その薄さだ。パリパリのピザ生地にリッチなチーズ味。言うことない。


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3日目はCoyoacan観光。Churrosを食べたり、評判のコーヒー店に行ったりしながらゆっくりと観光。
a0064654_3562770.jpg昼から「San Angel Inn」で昼食のあと、ソチミルコで舟遊びというゴールデンコースだ。San Angel Innの庭は、いつ行ってもうっとりするほど綺麗だ。燦燦と降り注ぐ陽光にブ-ゲンビリアが鮮やかだ。中庭で優雅にマルガリータを飲んで、中のテーブル席へ。Escamole(蟻の卵)のタコスなどで盛り上がり、スープ、主菜へ進む。スープは僕お薦めのSopa de Mariscos(魚介スープ)。濃厚で、海老のエキスが良く出ていて、味わい深い。メインは、Arracheraのステーキ。お2人とも美味い、美味いと平らげてくれた。うれしい。


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滞在中、ゴルフも1回した。冬の長い東海岸から来たとは思えぬほど、上手い2人。4人で回るゴルフは、格別だった。僕は、もう1ラウンドやりたかったが、今回は観光優先ということで我慢、我慢。

Yっシーが、Jack Daniel'sを持って来てくれたので、毎晩、それを飲みながら楽しく話した。付き合いが深まり、今までしなかったような話もして、充実のときだった。こういうのがうれしい。

次回は、東海岸かCancunで再会を約束して空港で熱いハグをしてお別れ。楽しいときはあっという間に終わってしまうのだなぁ。Yumiちゃん、Yっしー、また近いうちにお会いしましょう!
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# by gomanis | 2010-04-12 03:57 | 美食

2010年3月28日(日)  ゴルフ、あっというまに上達する極意。

a0064654_10124013.jpgという本をこないだ日本で買った。この本は、良い。3/21の社内コンペが84、今日の社外対抗戦(といってもお遊びだけど)が80。絶好調だ。しかも、今回は、崩れる気がしない。この本のおかげだ。

技術を研鑽するのがベンホーガン本だとすると、この本は、90を切るか切らないかぐらいのゴルファーが、今持っている技術でシングルになれる本。いろいろ実践的な知恵が書いてあるが、僕がこの2日のラウンドで取り入れたのは、たった2つ。

1.スコアを目標にしない。自分の意思で達成可能なことだけを目標にする。

で、その目標として選んだのが、

2.全ショット、落とし場所をピンポイントで決め、そこに意識を集中する。

不思議なもので、これだけでスコアがまとまったのだ。でも考えてみれば良いスコアには理由があるようだ。落としどころに集中するという目標は、ある意味、簡単に達成できる。そこに落ちたかどうかは、問題ではないのだから。そして目標が達成できると気分がいい。気分がいいと良いショットが打てるという好循環。また、落としどころを選ぶと、マン振りが防げる。遠くを狙わなければいいのだ。マン振りしないと、スムーズに打てる。

これらは、本書に書いてあるたくさんのことから、たまたま僕の心に響いたことを採用したもの。読む人によって最適と思われるポイントは異なるだろうからそれを実践してみればよい。

ただし、本の帯には、「書いてあることだけ実践すれば、技術、ヒマ、才能なしでもあなたはでも確実にシングルになれます。」とあるが、これは嘘。ヒマ、才能は、その通りかもしれないが、技術は、確実に必要。初心者がこの本に書いてあることだけ実践してシングルになれるわけはない。

ショットの基本は大事で、それはやはり練習からしか生まれない。

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写真はCoral CC。見えにくいですが、雪を被った山がきれいでした。
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# by gomanis | 2010-03-31 10:14 | ゴルフ

2010年3月24日(水)  野球鶏2  3千円の半ラーメン

a0064654_12355447.jpgコロンビア・パナマ出張から東京出張、戻った週はティファナ出張と、肉体の限界に近い日々が続いた。その間にもしっかりゴルフはしているから、好きでこういう生活をしているってことかな。

さて、その多忙な旅から旅の日々のエンディングはティファナ。夜の宴会のあと、宿泊はサンディエゴ側、ミッションバレーのホテルへ。かなり疲れてはいたが、同行のH君も、僕に負けず劣らぬ呑兵衛。当然、もう一軒行くかということになり、Kへーに教えられた野球鶏2を思い出した。タクシーを飛ばし、ConvoyとClaremont Mesaの交差点にある店へ。


「とりあえず、ビールと餃子!」
「すいません。リカーライセンスが取れてなくてビールまだないんですよ。」
「え!。。。ビール、ないの?」
「すいませーん、ないんです」

しかたない。

水で餃子つまんでラーメンも食べましたよ。
足がないから河岸を変えるわけにもいかないし。

a0064654_12353430.jpg壁には、プハーっという西田敏行のビールのポスター。泣きたいのはこっちだよ、ハマちゃん。ラーメンは、名古屋ラーメンというのを食べてみた。いい加減おなかは一杯だったから半ラーメン。ビリ辛で、旨かったけど、ビールがあれば完璧だったなー。8ドル。往復のタクシー代と合わせて3千円ぐらいのラーメンになった。とほほ


Kへーによると、リカーライセンスありませんよ、とお伝えしたはずですが、とのこと。かもなー。ちゃんと聞いてなかったもん。場所もうろ覚えで、迷ってからKKさんに電話でSOSしました。KKさん、突然お騒がせしました。
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水でお行儀よく野菜ラーメンをすするH君。
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# by gomanis | 2010-03-30 10:12 | 美食

2010年3月20日(土) Glenmoor さよなら日本

a0064654_1645116.jpg日本出張最後の日は、トム、トモちゃん夫婦にお付き合いいただき、再び成田のグレンモアへ。去年の9月以来だ。

朝7時半のスタート時には、震えるぐらい寒かったが、日が上がるにつれてだんだん暖かくなり、5ホールほど終わったところで半そでになる。今回は、レンタルクラブだが、XXIOなので、違和感はない。マイクラブと比べて不自由なのはウェッジとパターぐらいかな。あとは、フェアウェーウッドが普段は5Wと7Wなのが今日は3Wのみ。でもこの狭いコースではあまりFWは使わないので、それほど不便とも思わない。調子は悪くなく、短いパーパットを3つほどはずしたが、43で上がる。

ハーフの食事は、まだ10時なのだが、レストランに座りメニューを見ると、やはり食欲がわいてくる。『熱々麻婆豆腐』にする。それと餃子を皆でシェアし、トムと僕は生ビールも。気の置けない2人との食事は楽しい。トムは、ラウンド中はカレーにすると言っていたが、麻婆豆腐があるのを見ると、やはり抗いがたいらしく、麻婆豆腐にしていた。ホント好きなんだな。餃子は、パリパリとして旨く、麻婆豆腐も本格四川風ではなかったが、成田風ということでそれなりにおいしかった。

a0064654_16452452.jpgさて、後半のラウンドに出てみると、天気が一転している。ものすごい風が吹いているのだ。天気予報では春嵐が来ると言っていたらしい。空は晴れているのだが、風は強烈で、アドレスに入っても何回か”はずして”風が弱まるのを待ったほどだ。このコースは、中央の池がアクセントになっているが、大海原のごとく波が立ち、対岸の松の木の倒影は形を成さない。この強風のなかで穏やかなスイングをするのは至難の技。3人とも思うとおりのショットが打てず、OBが出たり池に入れたり、苦労した。

僕は、46で耐え、ぎりぎり90を切ることができた。まぁ、満足すべき、かな。

去年と同様、うーっと呻りながらトムと一緒に風呂に入り、空港まで送ってもらう。次回は、トムとも家の近所にある焼肉屋に連れて行ってもらうことを約して別れる。昼に夜に忙しい日本滞在だったが、これで全日程終了。さよなら日本、また今度。

ともちゃん、トム、本当にありがとうございました。
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# by gomanis | 2010-03-20 16:47 | ゴルフ

2010年3月15日 映画二篇

日本に来る飛行機の中で映画を2本見た。それぞれ面白かったので、感想を二言三言。

『風が強く吹いている』
だめだめ大学陸上部が箱根駅伝に挑戦する話。僕はジョギングを始めてからというもの、あんな速いスピードで走り続けられる人間を心から尊敬し、ほとんど憧れに近い気持ちで見るようになった。箱根駅伝に限らず、都道府県対抗駅伝なども、結構テレビの前で釘付けになる。みな、すばらしい身体をしている。針金のように細い躯体で、しかも強靭なバネが入っているかのように前へ前へと進んでいく姿は、本当にすばらしい。映画では、誰一人知っている俳優はいなかったが(有名なのかもしれないが、僕は知らなかった)、皆、事前に鍛えたのだろう。薄い胸板、長く細い脚、演出とわかっていながらまずそこに感動した。

ストーリーは、結構、陳腐と言えば陳腐。やる気のない人間が集まるチームが、夢に目覚め、奇跡を起こす成功物語。エリート陸上部に馬鹿にされながら、最後は一目置かれるようになるところなども、ボブスレーを描いた『クールランニング』にもあった設定。極めつけは、走る話にお約束の、レースの途中で故障を起こしながらも根性でゴールインするところ。これが、往路の最後(山の神、柏原が走った区間だね)ー発熱、復路の最後ー靭帯剥離!と2回も出てくる。しかし、、、わかっちゃいるけど涙腺が緩んで、隣のおじさんに気づかれないように涙をぬぐうのに苦労した。

クワハラカケル、本当に格好よかった。これを見たせいか、今回の出張では、毎朝がんばって走っている。ポルシェとカタツムリほどスピードは違うけど。


『ゼロの焦点』
これは、もう切なくなる映画だった。中谷美紀、身震いするほど綺麗で、恐ろしく、孤高で、強く、でも最後には折れてしまうところが、哀しかった。広末涼子、頑張ったが、文字通り役者が違う、と言わざるを得ない。
生まれ変わるということ。生まれた時代が悪かったというだけの理由で、過去を捨て去り、別の人間として生き直すことを余儀なくされる人生。切ない。『人間の証明』の岡田茉莉子もよかったが、中谷のほうがより凄惨で鬼気迫るものがあった。
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# by gomanis | 2010-03-18 14:30 | 一般

2010年3月15日 さくら田 老舗の矜持

a0064654_18242581.jpg日本出張。恒例の義母との食事であるが、今回はたまにふぐを食べようということにし、リサーチの結果、麻布十番の『さくら田』に決めた。

暖簾をくぐり引き戸を開けると、昭和の小料理屋といった空間に、物腰の柔らかい女将が迎えてくれる。開業して40年というから老舗と言っていいだろう。壁にふぐさし、ふぐちり、ふぐ唐揚げ、ふぐにこごり、白子焼き、すっぽん鍋などの品書きを書いた木札が下がる。座敷は、手前の小上がりと奥と合わせてたぶん12人分ほど収容できるぐらいか。カウンターもあるが、使われることは稀なのだろう。

a0064654_18245492.jpgふぐ刺しから。2人用なので、大皿ではないが、小ぶりの皿に花が咲いたような刺身。要の位置にはふぐ皮刺しと長く刻んだ浅葱。
ポン酢に浅葱と七味を散らしていただく。ふぐ刺しの特徴は、やはりこの歯ごたえだろう。しっかりして味わい深い。皮刺しは歯ごたえが更に強くなる。噛んでも噛んでもなかなか柔らかくならないぐらいだ。

ここの売りは、天然とらふぐ。毎日、予約が入った分だけ九州から空輸するのだそうだ。したがって、予約なしの客は取らないという。どんな常連でも、急に来られても材料を仕入れていないのでどうしようもないのだそうだ。なるほど。

a0064654_18254986.jpgそんな話をしながらひれ酒を傾ける。これが、ふぐ屋のお楽しみのひとつだ。香ばしく焼いたふぐひれを入れた茶碗に、ちんちんに熱くした日本酒を注ぎ、蓋をする。アルコール分が蒸発して蓋の下に溜まったところにマッチの火を近づけ、ボッとアルコールを飛ばす。ほのかにひれの色が移り黄色味がかった酒は、強烈な香りが立ち、陶然とさせるものがある。女将によると、ここのひれは、天日で干すので生臭さがないのだそうだ。ははぁ、そうですか、という感じ。


a0064654_18262476.jpg続いて白子。どうやって召し上がりますかと聞くので、焼きでお願いする。これが、実は、今日一番楽しみにしていたもの。わざわざ、コースに入っていないのを予約しておいたのだ。ピンポン玉を一回り小さくしたような白子が6個。マシュマロのように焼き跡が少しついている。塩が軽く振ってある。香りは、ほとんどない。あっても極々仄かなもの。しかし口に入れるとなんとも艶めかしい芳香を感じることができる。歯に少し力を入れると、焼いてできた薄皮が頼りなくも割れ、いよいよこってりとした白子が口腔に広がる。あぁ、旨い。まさに至福の時だ。

続いてふぐちり。鱈のように脂臭くなく、かといってさっぱりし過ぎてもいず、十分に滋味のあるしっかりした身だ。骨付の部分が多かったのは、やはり天然ものだからなのだろうか。地鶏とブロイラーの体格の違いが頭に浮かんだ。この、骨についた身が滅法美味い。ここで女将の注釈がまた入る。灰汁が出ないのは、天然ものだからなのだそうだ。ははぁ。

ふぐは、とても値が張る。面白いのは、それが客と店の間の暗黙の了解に止まらず、女将が堂々と会話に出すことだ。ここは、お高い、と言いながら、それをもって店の格を誇っているようなところがある。それを嫌味に感じるかどうかは、文字通り、客の側の懐の深さにかかっているようだ。女将は、高飛車ではまったくない。むしろ物言いは穏やかで丁寧だ。ただ、素材、料理の質、サービスの内容に絶対的な自信とプライドを持っていることははっきりと感じられた。この種の店の矜持といったものをエンジョイできるかどうかは、客の側の経験や度量にかかっているのかも知れない。それがまた、老舗を楽しむということなのかも知れない。

a0064654_1827257.jpg料理のほうは、最後の雑炊にかかる。残った白子も汁に溶かし入れ、ご飯、卵を割りいれる。少し蒸らして蓋を上げると、ほわーっと湯気が上がる。茶碗によそってもらってありがたくいただく。うーん、出汁がよく出ている上に白子のコクも甘みを倍加しているようだ。文句なく絶品中の絶品だ。

お茶を淹れてくれながら、女将が語る。芸能人や政治家も来る。売れる人、偉くなる人はなんとなくわかるのだそうだ。ヒロミ君(郷ひろみ)、山口百恵など、来たときにオーラを感じたのだそうだ。ふーん、このトークも女将の得意の手法なのだろう。

お勘定は、予想はしていたものの、ちょっと心拍数が上がる数字が書いてあった。まぁ、何年かに一度のこと、義母も喜んでくれたし、僕もいろいろな意味で楽しんだので良しとしよう。

ちょっと養殖ものを食べ比べて違いがわかるかどうか試してみたい気もした。a0064654_18273077.jpg
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# by gomanis | 2010-03-16 18:27 | 美食

2010年3月8日~3月11日 コロンビア・パナマ

a0064654_683730.jpg出張で初めてコロンビアとパナマを訪れた。印象に残った食べ物など。

ボゴタは、標高2,600メートルにあるコロンビアの首都。メキシコより垢抜けた感じがするのは、街の色使い。レンガを組んでそのまま塗装しないので、街がすべてレンガ色のモノトーン。ブエノスアイレスもこんな感じだった気がする。メキシコの、ピンク、黄色、水色のどぎつい極彩色、あれはやはりいまだに下品な感じが否めない。さて、初日は、和食。すし御膳という店。うーん、旨いすし屋というのは難しいものなのだな、という印象。悪くはないんだけどね。ま、これはメキシコのすし屋も一緒。


a0064654_665817.jpg昼は会社近くのフードコートでAjiaco(アヒアコ)という土地のスープ。ジャガイモ汁に鶏肉と輪切りにしたとうもろこしが入っている。薄い塩味、素朴なインディオの料理という印象。ぬるいのは、高度のせいか、それともそういうものなのかは不明。


a0064654_671768.jpg翌日は、Nazcaというペルー料理。ナスカの地上絵のあの地名から取ったらしい。フォーマルでおしゃれな内装の店。地元の人も着飾って来ている。セビッチェを数種類いただいたあと、メインは、Lomo Saltado Limenoという肉野菜炒め。ワインと一緒に堪能した。前述のとおり、ボゴタは、品のいい都会。こういうセンスのいい店がほかにもたくさんあるに違いない。


a0064654_674289.jpg続いてパナマ。空港から市街地へは、左に太平洋を見ながらのドライブ。高層ビルがたくさん見えてくるところは、香港の新界を行くような感覚だ。街に入ると、ホテル、飲食店、バーなどが軒を連ね、なかなか楽しそうだ。

夜は、金麒麟(Golden Unicorn)へ。黒赤調家具に白い卓布の正統派中華料理店だ。夜なのに、なぜか点心から始まる。メインは、Stone Crabが名物らしいが、残念ながら季節はずれで、普通の蟹。蒸したもの、揚げたものと複数の料理で楽しめる。〆に福建炒飯。パナマは、大きな中国人コミュニティーがあるらしいが、さすがにレベルが高い。


a0064654_6161054.jpg食後、同行の女性2人とホテル近くのバーで打ち上げ。ああでもない、こうでもないと仕事の話の続き。毎晩これをやっているので、慢性的睡眠不足だが、刺激があって楽しかった。12時半ごろホテルに帰り、速攻爆睡。彼女らは、さらに部屋で2時間ほども話を続けたらしい。すごい体力と情熱だ。かなわない。

パナマは、観光で行っても楽しそう。今度はプライベートで行きたい。運河クルーズなどもあるらしい。
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# by gomanis | 2010-03-16 06:07 | 美食

2010年2月28日(日) あいたたた

a0064654_0175536.jpg馬から落ちた。

今日は、カミサンの誕生日第二弾ということで、郊外にあるランチ(牧場)へ。以前行ったなんちゃって系のところは、単なる観光牧場で、駄馬、老馬に跨りその辺を1時間ほどトレッキングするだけだったが、今日のところは立派な厩舎にレッスン用のフィールドや競技用の馬場まである本格的なところだ。同行のH君一家は、皆、初めてなので、レッスン用フィールドで基礎レッスン。僕らは、一応経験者なので、いきなりトレッキングに出かける。僕の馬は8歳のオス、名前は忘れた。おとなしい馬だから坐っているだけでいいと言われたが、これが間違いだった。

野を歩き、森を抜け、ちょっと広いところに出たので駆け足の練習。乗馬のことを知らない人のために書いておくと、ポクポク歩いていたのが、ぽっくらぽっくらというリズムに変るのが駈足(ウェブで調べたところキャンターというらしい)。身体の上下動が一気に激しくなり、バランスを取るのが難しい。インストラクターが、上手い、上手い、その調子、と褒めるので調子に乗って続けていたら、馬も興が乗ったのか、駈足からギャロップ(驟歩、というらしい。競馬の全力疾走のような走りですね)に変った。

実は、僕は、これが一番好き。前にオーストラリアやタイで乗ったときにも短い時間だったがギャロップに変ったことがあり、それはそれは気持ちがよかった。気分は、武士である。大河ドラマで武具をつけて疾走するあの武士の気分なのだ。ワハハハ、と高笑いしたくなるのだ。

ところが、今日は、ワハハハと哄笑する前にアワワワとなってしまった。馬の動きについていけず、バランスを崩し、やばい!と思った瞬間には天地がひっくり返り、地面に叩きつけられていた。濛々と上がる黒い土煙の中で茫然とする僕の目に疾走する馬の尻が森の中に消えて行くのが見えた。

落ちた瞬間のことはよく覚えていないが、右肩と頭を強打したようだ。ヘルメットを着けていて本当に良かった。落馬した場所が柔らかい砂の上だったことも幸いした。なによりも良かったのは、足がうまく鐙(あぶみ)からはずれたことだ。最悪の場合、足だけが引っかかって馬に引きずられるところだった。

大した怪我もなくてよかったが、痛い日曜日だった。
来週は気分を換えて、またゴルフだ。
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# by gomanis | 2010-03-02 00:20 | 一般