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2010年3月15日 映画二篇

日本に来る飛行機の中で映画を2本見た。それぞれ面白かったので、感想を二言三言。

『風が強く吹いている』
だめだめ大学陸上部が箱根駅伝に挑戦する話。僕はジョギングを始めてからというもの、あんな速いスピードで走り続けられる人間を心から尊敬し、ほとんど憧れに近い気持ちで見るようになった。箱根駅伝に限らず、都道府県対抗駅伝なども、結構テレビの前で釘付けになる。みな、すばらしい身体をしている。針金のように細い躯体で、しかも強靭なバネが入っているかのように前へ前へと進んでいく姿は、本当にすばらしい。映画では、誰一人知っている俳優はいなかったが(有名なのかもしれないが、僕は知らなかった)、皆、事前に鍛えたのだろう。薄い胸板、長く細い脚、演出とわかっていながらまずそこに感動した。

ストーリーは、結構、陳腐と言えば陳腐。やる気のない人間が集まるチームが、夢に目覚め、奇跡を起こす成功物語。エリート陸上部に馬鹿にされながら、最後は一目置かれるようになるところなども、ボブスレーを描いた『クールランニング』にもあった設定。極めつけは、走る話にお約束の、レースの途中で故障を起こしながらも根性でゴールインするところ。これが、往路の最後(山の神、柏原が走った区間だね)ー発熱、復路の最後ー靭帯剥離!と2回も出てくる。しかし、、、わかっちゃいるけど涙腺が緩んで、隣のおじさんに気づかれないように涙をぬぐうのに苦労した。

クワハラカケル、本当に格好よかった。これを見たせいか、今回の出張では、毎朝がんばって走っている。ポルシェとカタツムリほどスピードは違うけど。


『ゼロの焦点』
これは、もう切なくなる映画だった。中谷美紀、身震いするほど綺麗で、恐ろしく、孤高で、強く、でも最後には折れてしまうところが、哀しかった。広末涼子、頑張ったが、文字通り役者が違う、と言わざるを得ない。
生まれ変わるということ。生まれた時代が悪かったというだけの理由で、過去を捨て去り、別の人間として生き直すことを余儀なくされる人生。切ない。『人間の証明』の岡田茉莉子もよかったが、中谷のほうがより凄惨で鬼気迫るものがあった。
by gomanis | 2010-03-18 14:30 | 一般


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