来ましたねー、重そうなタイトルですねー。
しかも、長くなりそうです。おちゃらけゴルファーは、読んでも意味がないので、とっとと他へ行ってください。真剣ゴルフナッツも、これから書く分析と対処方法は、僕にしか当てはまらないので、読むことは、あまりお薦めしません。どちらかというと、自分のために、書きながら考えを整理する目的です。 *************************************** 物事には、ずべて因果関係がある。ゴルフも例外ではない。スコアは結果であって、そこには良くも悪くも、必ず原因がある。因果関係は、時間軸に沿って眺めることも可能だし、地層をなぞるように、個々のショットの結果に対して、その原因を心理面、技術面と縦に掘り下げることも可能だ。そこで今日は、縦横両面から土日のゴルフを振り返ってみる。 土曜日は、Salt Creek、爆裂蟹コンペ。96(43, 53)という惨憺たる結果に終わったわけだが、そもそもの原因は、1番ホールのティーショットまで遡ることができる。打ち下ろしの382Y、Par4。左には、クロスバンカーがあるが、右に打ちすぎると傾斜に負けて右の赤杭ゾーンまで行ってしまうというコースレイアウト。頭の中には、10月28日、F家と来たときの第1打があった。その時は、力まずに素振り通りに振れて、ピンまで120Yを残すほどのスーパーナイスショットになったのだ。土曜日もそのショットを再現しようとしたのだが、素振り通りに振れなかった。わずかながら、打ち急いだのだと思う。身体のターンに腕がついて来られず、右に出てしまった。幸いにも同伴競技者のKへー、Kさん、Tomoさんが赤杭ゾーンぎりぎりに半分隠れていたボールを探し出してくれ(ありがとうございました。ほんと、ああいう時は拝みたくなります。)、なんとかボギーで上がることができたのだが、第1打で素振りを再現できなかったことは、心に不安の雲を生んだ、この時はまだ意識しなかったが。 2番ホール、ロング。ティーショットは、前ホールから矯正できて、まっすぐ飛んだ。しかし、第2打のSonatec3Wが、えっ?というほど右に飛び出した。だが、これも、赤杭ぎりぎり、Pinまで93Yのところに残り、しかも、ちょうどラフに浮いていたので、ブラインドショットになったが、無事3オンでき、パーを拾うことができた。しかし、2ホール連続の、予想外の球筋に、一層不安は増した。3番、打ち下ろしの短いPar3。アイアンのティーショットは、またもや、素振りの再現ならず、右に低く飛び出し、グリーン右のバンカーへ。ここへ来て、『今日はショットが悪い』ということが意識の中で顕在化してしまった。ここまでが、因果関係でいうと第1の原因だ。これは、10番ホールのティーショットにつながって行く。 第2、第3の原因は、このホールのパッティング。バンカーショットがクリーンに当たってしまい、グリーンオーバー。返しのアプローチショットは、上出来で、1メートルほどのところにつけられたのだが、下りの結構難しいラインで、これをはずしてしまった。ダボ。アドレナリン全開で優勝の2文字を強く強く意識していた僕に、ショートホールでのダボは、正直、かなりショックだった。これが第2の原因で、これは、このあと15ホールを通じ、特に勝負どころのチッピングアプローチに陰を落とした。さらに、傷を深くしたのは、大事なパットをはずした、という自分への刷り込みだ。これは、この日の第3の原因となり、この後のパッティングに微妙に影響を及ぼし、14番で大爆発する。悪いことに、このことは、土曜日だけでは収まらず、日曜日に会社のコンペでも、優勝に見放され、気持ちが吹っ切れるまで続いた。 こうして出だし3ホールで時限爆弾を3つも抱えてしまった。優勝できなかったのも当たり前だ。 それでも前半は、まだ希望を持って辛抱強くプレーし、43で上がった。バーディ2個で43だから、内容的には、決して良くなかった。特に第2の原因(ダボを打ったこと)が悪さをし、寄せればパーチャンスというところで、ことごとく寄せ切れなかった。LWのチッピングは、僕の下手なゴルフの中で比較的安定しているショットなので、これが寄らなかったのは、ひとえに、ダボで膨らんだスコアをへこませなければならないという過剰意識だったと思う。寄せワンゴルフができないと、次第にいらいらが募ってくる。フラストレーションが溜まるなか、フロントナインを終えたのだった。なお、この頃から、空模様も怪しくなってきた。雲が厚く太陽を覆い、急に寒くなって来たのだ。これが、ダメ押しの第4の原因となったかな。 冬の訪れをはっきりと告げる風が、谷を吹き抜け、草むらにさざ波を立てている。 後半、気を取り直して、と打った10番のティーショットが、ヘッドの下でボールを叩き、フェアウェーのこちら側のブッシュに消えていったとき、この日の優勝を完全に諦めた。これも、やはり、素振りを再現できなかったことによるもので、1番ホールと全く同じ症状だ。第1の原因である、今日はショットが悪い、という意識が、素振りどおりのスイングをさせなかったのだ。悪いリズムを再現してしまったと言ったほうが正確かもしれない。打ち直し後のアプローチも寄らず、ダボスタート。これは、めげる。 この後は各ホール何かしらミスが出て、スコアがまとまらない。アプローチが寄らなかったり、パットが入らなかったりだ。3番ホールまでに出尽くした原因が、これらのミスを誘発した、というのが、僕の分析だ。極めつけは、14番。431Y、長いPar4を上手く2打でグリーン手前3歩ほどのところまで付けながら、これをまた寄せられず。そこから2メートルほどのパーパットをはずしたと思ったら、返しもはずし、その返しも再び入れられず、結局3オン4パット、トリである。こうして思い出すだけで、はらわたが煮えくり返り、パターを折ってしまいたくなる光景だ。この日のゴルフは、実質、このホールで終わった。 続く日曜日、会社のコンペがCarton Oaksで行われた。このコンペは1年を通じて行われるもので、順位によってポイントがつくようになっており、累計ポイントで年間優勝を競う。僕は、ここまで優勝はなかったものの、準優勝が2度あり、この日優勝すれば、年間優勝を獲得できるポジションにいた。Carton Oaksは、難しいコースだが、この日は白ティーを使用することになったので、僕は、大胆に、70台を目指すことにした。同伴競技者は、3人のうち2人が、僕同様、年間優勝が狙えるポジションにいた。極度に高揚した、張りつめた空気の中でゲームが始まった。空は、前日とは打って変わって11月とは思えない、抜けるような青空だ。 1番ホール、383Y、Par 4。 ティーショット、第2打ともにまずまずの出来。寄せは、2メートルほどを残したが、十分狙える距離だった。しかし、パーパットは、打ち切れず、ショート。ボギー。うーん、70台を出すには、こういうのを入れていかないとまずいなー、と思いつつ、2番、ショートホールへ。第2打、グリーン手前5メートルほどのところからの寄せという場面で、ちょっとした出来事があった。AWで転がすか、LWで上げて行くか、迷っていると、同じくグリーン周りからチッピングの順番を待っていたI君が、僕が、もう打てる状態になったと判断し、僕にお先にどうぞ、という仕草をしたのだ。ちょうどその時AWを持っていた僕は、せっかくの好意だからと思い、そのままAWで転がしてしまった。結果としては、これが、グリーンエッジからほんの3メートルほどのところに切ってあったカップを大きく超え、上に1.5メートルほど行ったところに止まった。下りのパーパット。慎重に読んだのだが、わずかにそれた。これで連続ボギー。LWでふわっと上げたほうがよかったかと思ったが後の祭りだ。3番、パー5。ここも、1番ホール同様、ほんの2メートルほどのパーパットをショートし、ボギー。80を切るためには、前半39で上がりたかったのだが、3ホールで早くも3オーバー。後がなくなってしまった。 長々と経緯をつづったが、そのわけは、この日の敗因は、ここまでのパットに尽きるからだ。打ち切れず、パーが取れず、苛立ちが募ってくる。そして、苛立ちは、やがて不安に取って替わられる。不安が募れば募るほどパットはショートする。1メートルでも入る気がしなくなってくる。そのうち他のショットまで乱れ出す。3個のパッティングがゲーム全体の流れをネガティブなものにしてしまったのだ。前半、上がってみると、39どころかパー1個のみの47。特に最後の3ホールは、連続3パットという体たらくだった。 ところが、これで優勝の目がなくなったことで、後半、俄然、違ったゴルフになって来る。10番ホール、普通のパットを普通に入れたことで、気持ちが落ち着いてきたのだ。テークバック時の震えもなくなり、まっすぐ後ろに引けるようになった。前半とは対照的に、上がりの3ホールは連続1パット。後半は、14パット、グロス41で上がることができた。劇的な改善である。 さて、ここまでが、時間軸で追う、因果関係の分析だ。分析の目的は、当然、問題の解決にあるのだから、ここで一旦、ここまで述べてきたような、ミスがミスを呼ぶネガティブスパイラルの解決策を考えておきたい。 論理的に考えてみよう。因果関係の存在が、この問題分析の前提条件であるから、解決の筋道は自明だ。時限爆弾(=原因)を抱えてもそこから悪い結果を産まないようにするには、因果関係を断ち切ればよいのだ。このことは、言葉としては矛盾しているかも知れない。しかし、そもそも因果関係そのものが、結果から推測された原因をその結果に結びつけたものである以上、結果が実際に発生しなければ、原因と言われる事象も自然に霧散してしまうわけだ。 原因を、打ち消し、霧散させる方法。実は、それは、良いショットを打つしかないのだねー。 なあんだという声が聞こえてきそうだが、これに勝る特効薬はない。類似した場面で、同じミスを繰り返さない。ミスを繰り返さないだけでなく、よいイメージを産むようなナイスショットをする。これが、大事だ。ティーショットをまっすぐ飛ばす、アプローチを寄せる、パットをきっちり入れる。こうしてポジティブな結果を作るイメージ(原因)を意識して創っていくのだ。潜在意識の産みだす因果関係は、ポジティブにも作用するに決まっている。 勿論、ミスショットの後で、ネガティブなイメージを打ち消すようなナイスショットを打つには、強靭な精神力と、気持ちを切り替える技術が要る。それを知るために、今度は、冒頭に述べた、ショットの縦方向の因果関係に目を移してみよう。 再び、土曜日、1番ホールのティーショットに戻る。ショットの成否を決めるのは、技術、精神の両面だ。僕は、練習場だったら、10発中、8発はドライバーでまっすぐ飛ばすことができる。ということは、技術的な基本はできているということだ。ただ、2発のミスショットの原因を知っておくことが重要だ。上体が、ティーアップしたボールよりも飛球線方向に前に出てしまうこと。左脇が開いて、アウトインの軌道になってしまうこと。トップで手首をこねてしまい、フェースが正しくインパクトを迎えられないこと。テンポが速くなり、ボディーターンと腕が同期しないこと。これらが主なところだろう。ラウンド前の練習で何をするかと言えば、このうち、どの癖が出ているかをチェックし、その日の注意事項を確定することだ。そういう意味では、この日も同じルーティンでスイングはチェック済で、技術的に、ミスショットとの因果関係はなかったと結論付けられる。 スイングの技術を土台とすれば、精神面が上層部だ。僕の場合、ドライバーのミスショットの大半は、技術がないのでなく、この上層部で歪められ、できるはずのスイングができなくなっていることに原因があるのだと考えるようになった。この日で言えば、10月28日のショットを再現したいという欲が、スイングを歪めたのだ。残り120Yまで付けたことは、それはそれは気分がよかった。あの日は軽く振ってあそこまで飛んだが、今日はどうだろう、少し強めに打ったほうがいいだろう、と、そういう心理が働いたのだ。 2番ホール、右に出た3Wの2打目。これは、技術面の未熟さが出た。フェアウェーウッドは、信頼感高く、オンプレーンの一定の軌道で振れるときと、軌道がぶれるときがある。ドライバーに比べると、だいぶ再現性に問題がある。この1打は、軌道のぶれによるものだった。 3番ホールのアイアンによるティーショット。これも技術的な未術さ。上述のドライバーと同様、上体がスウェーする悪い癖がある。また、本番だとどうしてもヘッドアップしてしまうことがある。要するに、左の壁を作り、頭を残すというショットの基礎が脆弱なのだ。脆弱な土台は、上部構造である精神面により影響を受けやすい。不安な気持ちで立ったティーグラウンド、技術面と心理面の相乗効果が生んだミスショットと言える。 Carton Oaksのパッティング。パットほど、心理面の影響を受けるショットはないだろう。パッティングに関しては、技術が原因でないことは、ツアープロでさえ、イップスにかかる例が多数あることから、明らかだ。よいスコアを出さなくてはいけない、短いパーパットだから沈めなくてはならない、というプレッシャーが、目を霞ませ、テークバックを波打たせるのだ。 では、解決策は、どこにあるのか? 土台たる技術と、上部構造たる精神面。上の、4種類の因果関係。 導き出された結論は、まず第1に、ショットに、極力精神面を介在させないことだ。それは、素振りの再現、という言葉で表現される。正しい素振りができるならば、機械のようにそれを忠実に再現すればよい。特に、僕が注意しているのは、スイングスピード。もっと即物的に言うと、へそがターンする速度の再現だ。アドレス時にショットの目標地点を決めたら、どのぐらいのスピードでへそがターンすると、ボールがそこに飛んでいくか、想像力を働かせるのだ。頭と体感が一致するまで素振りを繰り返すのが理想だ(スロープレーにつながるから、実際には、2度までが限度だけどね。パーがかかった寄せなどでは、申し訳ないと思いつつ、3回、4回と素振りをして自分を納得させることも正直あります。)。これが、一致しないままで、本番のスイングに突入してしまうから、素振り以上の速度で振ろうとし、ミスにつながる。僕の経験では、素振りは、かなり遅く感じるが、そのままボールを打ってみると、意外なほど、距離は出るものだ。勇気を持って素振りを再現すること。 第2の解決策は、心理面の影響を受けないようなショットをすることだ。これには、ふたつある。ひとつめは、コース戦略の領域。心理的なストレスのかかる、背伸びをしたショットをやめること。実力以上の飛距離や方向性のコントロールを要するショット、たとえば、池越えだったり、バンカー越えだったり、OBのリスクがあったりという場合、それを避けることは、持っている技術を発揮する上で、とても重要だ。もうひとつは、―――このほうが、長期的に実力を上げて行く上ではより重要だと思っているのだが ――― 心理面の影響を受けない、アドレス、テークバック、ダウンスイングの技術を身につけることだ。これは、Repeatable swing(=再現性の高いスイング) とも称される。アドレスに入る時のルーティンや、テークバック始動の時の呼吸、意識を集中する筋肉などがこれに含まれる。この技術をもっとも要するのは、疑いなく、パットだ。パットの理論は、いろいろな本を読むと、つまるところ、いかにストレスフリーなストロークができるかに関するものだ。僕も、いまだに試行錯誤を繰り返している。これは、これだけでまた長くなるので、日を改めて書きたい。 そして、最後の解決策は、心理面を味方につけることだ。上述の1、2の方法は、心理面は良いスイングの障害になるという前提で導き出されている。そして、経験上、おおかたの場合、それは正しいように思われる。しかし、攻撃は最大の防御なりという言葉もあるように、上部構造である、心理面を味方につけたときに、今度は、おおいにプラスの威力を発揮することも、経験済みのことなのだ。どっしりした技術という土台に、ほんわか暖かい、穏やかな気持ちが乗り、ゆるぎない自信を感じることが、ほんのまれにだが、ある。あれが、究極の解決策だと思うのだ。 では、どうすれば、その、ほんわか暖かい、穏やかな気持ちになれるのか。意識して内面から強引にそこに気持ちを持っていく方法と、形から内面を作る方法と2通りあるだろう。 内面から、というのは、深呼吸し、自分はよいショットが打てるはず、と暗示をかけ、本当に自信が湧いて来るまで、不安を否定する手法だ。多分、プロの中にも、この方法を実践している人が多くいると思う。精神を集中するトレーニングを積めば、可能な方法だろう。ただし、ミスショットのあとで、自信を持てと言っても、なかなか難しいのも事実。僕の場合、この方法はあまり有効ではない。 他方、形から入る方法は、より実利的だ。形と言っているのは、口に出す言葉のこと。『よし、次は、パーを取ろう』とか、『今度は大丈夫』、あるいは、『そうか、悪いところがわかった。次はいいショットが出るはず』といったポジティブな結果を予測する言葉。また、実際にいい結果が出たときには、『よっしゃー、次もパーだ!』、『今のは、気持ちよく打てた!』などの言葉を口に出し、自分の耳に聞かせることが大事だ。これらは、必ず、気持ちの中でポジティブな波動を生み出し、良い結果をもたらすことにつながる。また、以前も書いたことだが、同伴競技者とゴルフと関係ない話をし、笑うことも有効だ。笑うと、いいことが起きるのは、誰しも経験済のこと。ゴルフのラウンド中も、機会を見つけ、笑うことだ。気持ちを切り替える技術も、ゴルフスイングの技術同様、たくさん種類を持っていたほうが良い。 以上、因果関係を軸に、スコアがまとまらない理由、スコアを改善する方法について、考察をしてきた。読み返してみると、こういうことは、ここまで克明に文字にしないだけで、いつもラウンド後に考えている。朝、ジョギングしながら、夜、寝ながら、ラウンド直後はこういうことを考え、次のラウンドが近づいて来ると、コース戦略とか、ショット前の注意事項を絞り込む作業とかを、あーでもない、こーでもないとやっているのだ。ラウンドとラウンドの間のこうした作業も、また、ゴルフの欠かせない愉悦の一部分である。こんな楽しいこと、他の遊びにはないヨ。
by gomanis
| 2006-11-18 15:19
| ゴルフ
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