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2008年7月7日(月) 松茸の季節

2008年7月7日(月) 松茸の季節_a0064654_1232595.jpg5月に入ってからというもの、うんざりするような雨が続いている。今年のメキシコシティーは、長くいる人によると、ことさら雨が多いのだと言う。別に外を歩き回る仕事でもないが、それでも気が滅入ることには変わりない。

そんな中でも楽しみはある。季節の移り変わりというやつだ。たとえば、松茸。去年、夏の終わりに赴任してきて、松茸が採れると聞いてたいそう嬉しかった。日本料理屋でも素焼き、土瓶蒸など、様々な料理法で楽しませてくれた。確か10月いっぱいぐらいあったのではなかったか。

今週末、ミカサへ買い物に行くと、なんと松茸がもう出ているではないか。小ぶりのものがパックに4本ほど入って70ペソ。日本円で700円強。安い。というわけで、今夜は、初物を堪能した。

うちのは、単純に日本酒を垂らして包み焼きにしたもの。アルミホイルの片側を開けると、ふわっという湯気とともに、芳醇な山の香りが立ち昇る。奥深い、山の湿った空気が閉じ込められていたかのようだ。

レモン汁をほんの少し絞って食べてみる。不思議な食べ物だ。香りに魅せられるあまり、口に入れても、味わいは、まだ口の外に残っているようだ。鼻腔を差すこの山の気配は、口の外から来たものか、はたまた口腔から上ってきたものか、判然としなくなる。しばらくして、今度は、醤油を一滴二滴垂らして食してみる。うーん、これまた、香りがよけい引き立つような味わいだ。順番が逆であってはこうは行かなかった。やはり、淡いレモン風味から醤油に進むのが王道だろう。

あと4ヶ月ほど、これが楽しめると思うとほんの少し、気が紛れて来る。

カミサンと冷酒を飲みながら、松茸をつまむ。窓の外は、しとしと雨が降り続き、暗い闇に濡れたネオンがぼおっと浮かんでいる。
by gomanis | 2008-07-08 12:32 | 我が家の食卓


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